瞳の中の残像

2004年6月8日 scribbled
10代の頃のことだ。
車窓から流れ去る竹林を見て、俺は性的衝動にかられた。
同じように、朝から霧雨のような日もその感覚が湧き上が
っていたように思い出す。
幼い時に見た「越前竹人形」の映画の後遺症だったのだろ
うと分析している。
では、今の俺は?もちろん、具体的な刺激を知って後、あるはずもないのだ。
しかし、この頃の季節、紫陽花を不意に見かけた瞬間に、和服姿の美人が浮かび上
がって思えるのは何なのだろう。
無意識の記憶の残像と考えてしまえばそれまでなのだが。このアルバムの写真にさ
え、ある種の感覚が重なっている。
物憂さなゾ−ンに迷い込んでいる時は尚更なことなのだ。
どうにも、やっかいな時間の駅に俺は留まっているようだ。

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