聖人の三行半

2005年11月27日 scribbled
聖人の三行半
彼女は「あなたと私では味覚がちがい過ぎる」だったか、「味音痴」とか言われたか、
もう、今では残念な事に正確なセリフが定かではない。

たった、一度だけ、彼女の部屋で手料理をごちそうになった。(うまかったよっ)

俺は、ただただ、それが申し訳ないくらいの気持ちと、意外にも作ってもらえたことの感動と、
その驚きで美味しかったのだ。
正確には上手いと、言うのは心であり、舌は差ほどでもなかったことが正しい。
しかし、まちがっても不味いものではなかった。

こんなことを、思い出すのは今夜が初めてではないが、あえて書き残しておこうと思う。

年甲斐も無く俺は、子供のようにテ−ブルに差し出された料理を、彼女を待つことなくパクッタァ。。。
わかってもらえないだろうか、この飛び付いた感じを!嬉しかったのだ。

その反感か、その他のことも合わせてかも知れないが、彼女はいつかそのように俺に言ったのだった。・・・
そう思っている。たぶんに、彼女自身において、不味い出来であった認識があったのかも知れない。
彼女にして「失敗」。・・・このことが、と、俺は、今、いや、この先も思い込みのままだろうが。

彼女にして、「美味い」はウソであり、冒涜の軽々な発言のひびきだったのかも知れない。
多くの軌跡とドラマチックであったかも知れない4年という部屋空間マイル−ム。
決別の手料理だった、その事の少し前の最初で最期の、ここに居座ろうとしていた者たちへの。


土日の18時、10チャンネルの1時間はゆるやぎの時間であり、絶対の美味いもの時間である。
何を食べていようと、何をつまんでいようとも、美酒たりて美食となる時間であるからだ。

料理、料理上手はと言い、料理上手はと想い、つぶやく。

聖人も落ちたぐらいならば、俺が落ちない訳がない。

料理、料理上手よと酒を食らう三行半かな。

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